No. 1519ハセツネの結果を見て思う、トレイルレース・ウルトラマラソンのメジャー化
昨日開催された日本山岳耐久レース(ハセツネ24h)で7:19:13の大会新記録が出ました。
ちなみにハセツネの制限時間は24時間ですから制限時間の30%くらいの時間でゴールしているのです。。
また13時スタートのこのレースは当日ゴールするには11時間でゴールしなければならず、速いランナーはこの11時間以内ゴールのサブイレブンを狙っています。
私も2010年に出ましたが、まだロードでも夜間走行をしてない頃で、かつトレイルレースに出てない頃でしたので、手厳しい洗礼を受けました。何せ雑誌の付録のハセツネのDVDを見て何を持ったら良いのかを調べたくらいですから。。
半分も行かないうちに内臓がおかしくなり、睡魔に襲われコース上で何回も寝るような状態で初めてリタイアを考えました。
その時にリタイアしなかった理由は
これでリタイアしたら来年また出なくてはならない。もうこんなレースには絶対に出たくないから完走しよう。
と思ったからです。
そのくらい厳しいレースでした。。
実際それ以来出てません。
ただ避けてるわけではなく、2011年は神宮外苑24時間走の翌週で大阪マラソンの前の週に開催。2012年は神宮外苑24時間走と同日開催。今年は新潟マラソンと同日開催だから物理的に出られない。この時期はレースが多いですからね。また走ってみたい気持ちはありますがエントリーは年々難しくなっていますので走る時が来るのかどうか分かりません。
ハセツネの距離は71.5キロと長くはないのですが、その距離で累積標高が4582mとあるのだからかなりアップダウンのあるコースです。
ちなみに110キロ(もう少し長い気がする。)の信越五岳の累積標高は4670mです。ハセツネは信越五岳より距離は40キロ短いのに累積標高はほぼ同じ。
さらに信越五岳を含めて大半のレースはエイドで水や食べ物を補給出来るけど、ハセツネは40キロ過ぎに1.5リットル補給出来る以外はスタート時に全部自分で持たねばならない。水をどれだけ持つかすべての参加者が悩みます。足りないのは怖いけど必要以上に持ったら重たく負担になる。
それとスタートしたら一回の給水以外は補助なく自力でゴールしなければならない。ケガをしても応急手当をしてゴールを目指すことはできない。応急手当を受けたらそこでレースは終了です。
まさしく山岳耐久レース。。。アドベンチャーなんです。
山で補給物が尽きたら待つのは【死】
山でケガして動けなくなったら待つのはやはり【死】
誰かが助けてくれるなんてのは幸運以外の何物でもない。
ハセツネはそんなことを経験させてくれる場でもあると思います。もちろん優勝者や上位入賞者は称賛される。
でもケガなく自力でスタート地点に戻ってきた完走者全員が讃えられるレースなんです。
そこが魅力なレースではあるけど私にはハセツネに対する恐怖があります。
もちろん無理しないで走るならケガをしないでゴールする自信はある。でもタイムを狙った瞬間にリスクが増大する。死ぬかもしれない。大袈裟ではありません。
やはりスタートしたからにはケガしないでゴールしたいからタイムを狙ってハセツネを走る時はこないような気がします。
話がまったく本題に入らない。。。
ハセツネは今年で21回目の開催ですが、少し前までは8時間の壁が中々破れなかったようです。それがここ数年タイムは伸び続けて今回7時間19分という驚愕のタイムが出たのです。
過去の優勝タイムを公式HPで調べたので書きます。ホントどこまで伸びるのって感じです??
1993年 9:08:27
1994年 8:29:08
1995年 9:03:59
1996年 8:49:43
1997年 9:36:33
1998年 10:31:06
1999年 9:30:40
2000年 9:02:48
2001年 8:53:07
2002年 8:46:41
2003年 8:24:06
2004年 8:40:10
2005年 8:14:09
2006年 7:52:24
2007年 8:03:36
2008年 7:39:16
2009年 7:31:48
2010年 8:03:02
2011年 7:37:18
2012年 7:22:07
2013年 7:19:13
山岳レースだから天気によりタイムは大きく変わります。私が出た2010年大会は気温は高いし、雨で道はぐちゃぐちゃになるし大変でしたが、やはり優勝タイムも悪い。
しかし10年くらい前は8時間40分くらいでゴールしたら優勝できた。これって今年のレースなら25位なんです。。。
ちなみにフルマラソンの日本記録は10年間変わっていない。
なぜたった10年で1時間半も短縮したのだろうか??
一つは道具の進化だと思う。
シューズもリュックもライトも補給食も進化している。でもそれはフルマラソンだって同じこと。
練習方法や速く走るテクニックも進んだのでしょうが、それも同じこと。
やはりトレイルレースがメジャー化して才能あるランナーが大挙して参入してきたことがレベルアップの最大の要因だと思います。
昨年の御岳、信越五岳、今年のUTMFとウルトラマラソンメインのランナーが優勝した。今年の信越五岳の女子優勝はトライアスリートです。
トレイルレースはロードとは別物と思っていましたが、やはりロードが速い人はトレイルだって速い。ただハセツネのようなテクニカルコースは別と思っていました。が今回新記録を出した方はロードでは相当強い方ですが、トレイルレースではあまり実績はないと思います。
やはりフルマラソンで2時間10分台で走るランナーが本気でトレイルやったら今回のような結果になるのでしょう。。
ウルトラマラソンの世界も同様でフルマラソン2時間10分台で走るランナーが参戦してくると驚くようなタイムが生まれるのでしょう。逆に言えば砂田さんが世界最高タイムを出した時のフルマラソンのタイムは2時間10分少々でしたが、これを破るにはやはりフルマラソンで同じくらいのタイムが出せるランナーでないと厳しいのでしょう。
私には縁のない世界ですが、ウルトラマラソンで自分のタイムは伸びても順位は下がる傾向はこれからも続くと思います。
来年のウルトラマラソンで頑張るためにも、フルマラソンのタイムを上げれるように頑張ります。