No. 2416上州武尊スカイビューウルトラ60完走記
第1話からの続きです。
【スタート〜W1 裏見の滝駐車場】
前話と少しかぶりますが、スタートはスキー場ゲレンデの直登だったのでかなりキツかったです。
最初はトップ集団が見えるようなペースで走りましたが、ゲレンデ上部に行く前にこれは飛ばし過ぎとマイペースに戻しました。
ゲレンデ上部に着いた時にはだいぶ明るくなりました。
ウォーターポイントに着いた時にラップをとったら、こんな感じでした。
5.06km 50:49
考えたら昨年のコースはスタートから13キロまでロード区間でした。13キロまで70分くらいで走っているから、今年のコース変更は楽なはずがないと、この頃気付きました。
【W1〜武尊山頂】
6.64km 2:07:03 通過 2:57:52
山頂まではひたすら登りです。正確には山頂のすぐ近くで巻道に入りますから、最高点までは行きません。ただ近いので私と一緒に走っていた方は、あえて山頂行くと少し寄り道してました。
昨年の山頂までの区間は、膝まで水に浸かって沢登りしたり、ハシゴ場で少し待たされたりしましたが、スタートから21キロで3時間56分でした。
今年は沢登りもなければ、鎖場、ハシゴ場の渋滞はないけど、かなり厳しい登りでした。
本当腕を使ってよじ登る箇所の連続でした。
私はゆっくり安全に登ろうと後ろのランナーにパスさせながら進みましたが、山頂付近で後ろにいた方からは、こんな風に言われた。
『私もノンビリ行きます。ここでケガしたら確実にヘリコプターの救助になりますから。』
ヘリコプターの救助なんかになったら大変です。
そのくらい危ないってことです。
ただノンビリ過ぎて最高点についた時、スタートから12キロもないのに、既に3時間近く経過しちゃいました。
予定ではA3エイドに3時間で着くと甘い計算していたけど、既に3時間です。。
山頂だったか、もう少し先だったか、チエックしてる方に順位を聞いたら44番くらいでした。何とか30番以内に入ろうと考えたのを記憶してます。
【武尊山頂〜A3 武尊牧場スキー場】
山頂からの下りも怖かった。昨年はハシゴで大渋滞があり50分くらいまたされたけど、今年は渋滞はなく走れたけど、泥濘や滑る箇所、崖など難しい区間でした。
こんな雪も残っていました。
6.70km 1:20:02 到着 4:17:54
粗粗だけど3時間で着く予定が77分オーバーでした。
昨年はこの区間を1時間49分かかっていたので、ハシゴ渋滞の効果はありました。
エイドでは軽く固形物を食べたり、水分を補充したり、トイレに行きましたが手早くすませて4分後にスタート。何人かは抜きました。
0:04:12 通過 4:22:06
【A3〜W3 十二様】
この区間はほぼロード区間なので、ロードランナーな私は頑張ろうと思った区間でした。
下りの舗装路だから脚にきますが、気にせず、キロ5前後で走ったのでここで何人も抜かしました。
6.92km 0:36:11 通過 4:58:17
しかしまだスタートから25キロくらいですから、まだ40キロ以上残っている。
昨年より簡単になったと聞いて10時間切りを目安にしていたけど、既に半分の時間を使ってしまった。
漠然とフルマラソン5時間なら、アップダウンがたいしたことなければいけるかも?と考えた。
もちろん昨年走ってるから、小刻みなアップダウンがあることは知ってるけど、武尊山のような厳しく危ないアップダウンはないからと諦めなかった。
凄くざっくりだけど、ロード区間10キロをキロ5でいけば、残りは32キロで4時間10分。なんとか行けるか??
しかし、この辺りからジリジリと暑くなってきました。
この区間も走れる箇所はできるだけ走りました。たぶん30番くらいにはなったと思っていた。ただA4はだいたい中間点でタイムは6時間を超えたので、現実的に10時間切りは無理になりました。ただ11時間は切れると頑張っていた。
7.73km 1:19:05 到着 6:17:22
エイド滞在時間を極力減らして先を急いだ。
0:02:12 通過 6:19:34
【A4〜W4 赤倉林道分岐】
この区間も下り基調の舗装路がメインだから頑張った。
暑いけど水は貴重だからたくさんかけれないけど、首筋などにかけながら先を急いだ。この辺りでも数人抜いた。
9.23km 1:12:23 通過 7:31:57
最初のあまあまの予定では6時間40分だけどだいぶ詰まってきた。
残り25キロを3時間30分程度で11時間は切れる。
【W4〜A5 赤倉林道入口】
この区間はほぼロードだと記憶している。だいぶ脚が痛くなり、また暑さにやられてきたけどガンバれた。
5.25km 0:33:55 通過 8:05:52
予定では7時間30分だったが、8時間05分まできた。10時間30分は厳しいが、残り20キロで3時間弱の11時間以内なら行けると思った。
ここまではかなり順調でした。
武尊山まではもちろん甘かったけど、それ以降はほぼ予定通り。
ウルトラランナーとして、ロード区間では基本誰にも抜かれずにひたすら抜いた。
これは意地です。
トレイルではケガしないように安全に走るから抜かれる。特に下りはガンガン抜かれる。でもロードでは抜かれたくない。
【A5〜W5 浅松山】
しかし、ここからがキツかった。何回か行ったことのある小柱温泉を過ぎて、ゴールが近づいてから、左に曲がり浅松山を登る。
この区間は走ろうと思えば走れる林道だけど暑さから私にはそのちからはなかった。
軽い脱水症、熱中症で吐いてしまうほど消耗していた。
悪いことにW5から6.55km タイム 9:22:35でガーミンのバッテリーは終わった。
トレランでは距離より、高度が大事で、あと100m登るとかわかれば頑張れるがないとキツイ。
ここからガーミンがなく厳しいレースになりました。
そこから、120キロレースの看板を見ながら距離を測った。
かなり進んだと思っても、まだ1キロしか進んでないことが分かり精神的にもキツくなってきた。
もう登りは終わりかと思ってから5回は登りありました。。。
下りに入って頑張ろうと走り始めた途端に、落ち葉に埋もれた木の根に指を強くうちつけ激痛が走った。
転倒はしなかったけど、こんなことが三回くらい続いたら完全に気持ちが切れてきた。
ただ、残り距離を計算して11時間が切れるように頑張った。
話は前後するが、熊多発地点を通過するときは前後に誰もいないから、怖くて声を出しながら走った。
自分を鼓舞する言葉を熊よけを兼ねて発した。
ふとスズメバチを刺激しないか気になったりもした。。
脚が痛くて下りで歩いていると、異常に速い早歩きのランナーに抜かれた。
武尊山頂から初めて抜かれたランナーかもしれない。
ただついていけなかった。
なぜ??
その頃、11時間も厳しくなり、今日はダメダメだという気持ちになっていた。それならせめて絶対にケガなく安全にゴールしようなんて気持ちになったのです。
それ自体は間違ってないし、悪い判断ではないと思うけど、このランナーは40代6位の方と知ったのはゴール後です。
ちょっと、いや、かなり悔しい。
安全に行きつつも抜き返す気持ちが必要だった。
そしてレースの距離は66キロとあり、最後のウォーターエイドは64.8キロ地点とパンフやサイトに書いてあったから、エイドが見えたときには残り僅かと思っていました。
しかし、昨年とコースは変わっているけど、ここからまだ結構降りるから1.2キロでゴールまで着くわけない。
たまらずエイドでスタッフに聞いた。
あと5キロちょいですから頑張ってくださいと言われた。。
あと5キロちょい!?
それって66キロでなくて、70キロってこと。。。
その瞬間に昨年の11時間30分も無理になった。
また、疲労が一気に押し寄せた。
何度もうちつけた指先だけではなく、尻や太ももも痛くなってきた。
そこからは長い長い5キロだった。
脚に厳しい下りを終えると、ロードに出た。
たぶん残りは2キロ。
この辺りで相次いで2人に抜かれた。
ロードなのに抜かれても追いつけない。みるみる離れていく。
タイムの目標がなくなり、頭には完走しかなかったのかもしれない。
ふと、このままゴールで良いのか?
と思った瞬間に
良いわけないと思った。
そこから頑張った。
前のランナーが一気に近づいてきた。ゴール間近で抜ける位置まで来たが、少し足りなかった。でもよく追い詰めたと思う。
結果的に年代別8位で、総合26位だった。昨年より大幅に順位は上がった。
満足いくレースだったかと言えば、まだ走れた。
自分に何度も負けたのが悔しい。
でもまだまだ自分のポテンシャルはあることは、わかった。
もう来年はいいかな。と思ったけど、来年も走りたくなりました。
まあどうなるでしょう。
ゴール後のシューズはこんなに泥だらけでした。
ただ今回はそれぞれの機能を活かしたソックス重ね履きしたので、皮膚のふやけや靴擦れはありませんでした。
しかし、何度となく木の根にうちつけた爪は死んでます。
落ち葉に埋もれた木の根は、ホント困ります。
補給に関しては、最後までガス欠にならずに走れました。
用意したのはアスリチューンやスーパーメダリストなどのサプリメントです。
エイドの固形物は多少とってますが、水分中心です。
アスリチューンは赤か黒を1時間に一個、スーパーメダリストを3時間に一回くらいの間隔でボトルに入れました。
ただレース後に考えたら、終盤気持ちが少し切れてきたのはガス欠気味だったのかもしれません。終盤はエイドがないのでもう少しアスリチューンを使えば良かったです。
また軽い熱中症になりかけたのも原因でしょうが、エイドでもう少し水をかぶれば良かったと思います。
いろいろ反省はありますね。
ちなみに昨年のレース後に書いたタイム検証です。
【スタート~CP1】
9キロ ロード (実測9.14キロ)
計画 60分 → 結果 49分31秒
計画自体が少し余裕を見すぎていたけど写真撮りながらノンビリ走りましたがそこそこで走れました。
普段はレース中に写真なんて撮りません。そんな時間があれば1秒でも速く走りたい。ただ今回は重たくなるけど防水・防塵カメラをザッグに入れて走りました。理由はかなりヤバイレースだと感じていたから前半は写真を撮るくらいの余裕を持ったほうがよいと思ったのです。
【CP1~CP2】
4キロ ロード
5キロ ダブルトラック(以下W)
3キロ シングルトラック(以下S)
鎖場区間、沢登区間含む
12キロ (実測12.51キロ)
計画 2時間30分
→ 結果 3時間06分52秒
この区間は鎖場の渋滞で30分ほどロスしたからほぼ計画通りでした。この区間で鎖場はもちろん怖いのだけどもっと怖かったのはこのコース全般に言えるのだけど笹の茂みを切り開いてコースを作っているので硬い笹が切り立っています。角度が悪いとホントシューズで踏み抜いてしまいます。またそんな場所で転倒したらどうなるでしょうか??竹やりを仕込んだ落とし穴に落ちるようなものです。想像力豊かな(?)私はそんな場所では走れるけど場合によっては歩きました。絶対に転倒してはいけない。
また鎖場の手前では約800mくらい本格的な沢登区間があります。膝まで冷たい水に使って岩場を登っていくのですがトレイルレースと言うより出たことはないけどアドベンチャーレースに近いと思いました。またマーキングに沿って上りましたが誤った場所にもついているのでミスコースをしそうになったことも何度かありました。さいわいミスコースをした集団が戻ってきて気付きました。この辺りは周りのランナーとどっちだろう?と相談しながら上りました。中々体験できないので楽しかったです。
【CP2~A3】
5キロ S
3キロ W
8キロ(実測6.91キロ)
計画 1時間20分
→ 結果 1時間48分45秒
下りの鎖場で50分ロスしました。まったく動かない渋滞には参りました。ただ計画は80分でしたが渋滞がなければ60分で走れます。今回危ないと思ったのは鎖場ではなく降りてからです。みんな渋滞でいらいらしてるからハシゴを下りたら実力以上のスピードで走っていった。私の直前の人も視界から消えていたがしばらく行ったら岩場で足を捻ったみたいでした。ロスを挽回しようって気持ちはホント危ないです。
【A3~A4】
1.5キロ S
2キロ ロード
1キロ 林道
1キロ W
1キロ S
4キロ W
10.5キロ (実測10.09キロ)
計画 1時間50分
→ 結果 1時間37分17秒
エイド1分30秒含む
もう少し短縮できると思ったけど終盤キツくて結構歩きました。まあ設定より速く走れました。
【A4~A5】
2キロ W
4キロ ロード
2キロ W
0.5キロ 林道
8.5キロ (実測8.21キロ)
計画 1時間20分
→ 結果 1時間00分07秒
別にA4エイド滞在 5分53秒
ここはロードが長いのでかなり短縮出来ました。このコースの30%は舗装路だからロードを一定のペースで走れるのもタイム短縮の鍵になると思います。
【A5~浅松山CP】
1.5キロ 林道
4.5キロ W
6キロ (実測7.09キロ)
計画 1時間10分
→ 1時間07分04秒
別にA5エイド滞在 2分33秒
ほぼ予定通りでした。しかしここはこんなに時間がかからないと内心思っていたけど高低図に出ないような小さなアップダウンがキツかった。レース後に高低図を確かめたら小さなギザギザがありました。。。この小さなギザギザが実際は50mくらいのアップダウンになるからキツイです^^;
あとこの区間は熊多発地帯とありました。実際スタートしてからここに至るまでどこで出てもおかしくないのだから、よほど危ない場所なんでしょう。
最初は一人にならないように走っていたけど次第に一人になりました。左右笹に覆われた場所だがらいつ出てもおかしくない。しかし不思議と怖いとは思わなかった。出たとしても襲われる確率は車の事故に巻き込まれるより低い。仮に命を落とす事態になったなら自分はそれまでの人間なのだと思った。
【浅松山CP~雨乞山CP】
7キロ S
1キロ W
8キロ(実測 7.91キロ)
計画 1時間10分
→ 結果 1時間26分57秒
この区間も引き続き厳しかった。とてもじゃないけど70分は甘かった。。ここを70分で行ける人は10時間切る人でしょう。終盤はかなり上げたけどこのタイムですからね。
【雨乞山CP~ゴール】
1キロ W
1キロ 林道
3キロ ロード
5キロ(実測4.68キロ)
計画 50分
→ 結果 27分05秒
ここは飛ばしました!!その前の区間のダブルトラック合わせて相当抜かしました。脚が残っていると下りはホント楽しいです。
全体を通して当初予定していたタイムとほぼ同じタイムでゴールできたのは嬉しかったです。
もちろんロスタイムは大きかったけど、それもレースです。
いま思うと渋滞なんてたいした問題ではないスゴく良いレースでした。
来年も走りたいです。