No. 23136DAY RACE
最近ウルトラマラソンの人気が急速に高まってきました。
サロマ湖100キロウルトラマラソンに至ってはクリック競争になり世界大会代表選考会なのに、優勝出来る可能性を持ったランナーが走れないなんて状況になりました。。
また200キロを超えるウルトラマラソンであるスパルタスロン(245キロ)は今年はクリック競争になりましたし、小江戸大江戸200キロや、川の道フットレース(520キロ)も完走する前にエントリーすることが難しいという凄い時代になりました。
私がウルトラマラソンを初めて走ったのは2009年のゆめのしま6時間走や奥武蔵ウルトラですから、まだ6年と歴史は浅いけど、その頃のウルトラマラソンは締め切り期限が過ぎてからでも事務局に電話すれば走れたような緩い時代でした。
まさかクリック競争になるとは思いませんでした。
キャリアの短い私でさえ驚くのですから、昔から走ってる方はこんな時代がくるとは思わなかったでしょう。
そうは言ってもまだ100キロを超えるウルトラマラソンを走るランナーはマニアックなランナーであり、一般的というか普通のランナーが理解できるのは100キロまでの気がします。
しかしフルマラソン完走したばかりの友人が、次は100キロ走りたいなんていうのだから確実にハードルは下がっています。
私が今までに一番長い距離を走ったのは、神宮外苑24時間チャレンジの205キロです。24時間走の日本代表は250キロ以上走るのだから競技の世界ではイマイチな記録だけど、冷静に考えたら1日で自分の月間走行距離を超える距離を走ってしまうのだから凄い距離です。
私の月間走行距離が少ないのかな 笑
ちなみにその時は24時間で合計して30分くらいは寝ました。12時間過ぎたら睡魔に襲われましたので耐えられない時は5分だけ寝ることにしました。それだけでも随分変わりました。
UTMFの第一回大会を走った時は、トレイル初心者だったので安全に確実にゴールするために中盤までは走れるところも歩いたので48時間制限のところを42時間ちょい使ってゴールしました。金曜日の15時にスタートして山の中で二回夜を過ごしてゴールしたのは日曜日の朝です。
その時は二回目の夜を悪名高き天子山塊で迎えました。最初の夜は平気だったけど二日目の夜は激しい睡魔に襲われ初めて幻覚や幻聴を経験しました。。。
話が逸れていくのを感じてきたので自分の話はこれくらいにします。
ウルトラマラソンには私が走った24時間走の二倍を走る48時間走という競技があります。
ちなみに男子の世界記録はギリシャの伝説のランナーであるクーロスが出した473.495キロです。これって2日間ほぼキロ6で走り続けないと届かない距離です。この記録はちょっと想像できません。24時間走で237キロ走るのはかなりのウルトラランナーですが、そのままのペースでもう一回走るわけですから。。
そして女子の世界記録は397.103キロです。この記録は日本人で私と同級生の稲垣寿美恵さんが出しました。素晴らしい世界最高記録なのに知ってるのはウルトラマラソン走ってるランナーの中でもかなりマニアックなランナーだけかもしれません。
ちなみに24時間走の女子世界記録も日本人ランナーが持っているなどウルトラマラソンの世界では日本は非常にレベルが高い国なんです。
しかし397キロという距離も凄いけど48時間ほとんど寝ないで走り続けるということに驚きました。その世界記録は2010年に出しましたが、その2年後に私がUTMFにチャレンジして二晩越した時に幻覚を経験したことからよりその凄さが分かりました。
日本ではオリンピック種目のフルマラソンまでしかマスメディアが取り上げませんが、ヨーロッパではウルトラマラソンが根ずいているので稲垣寿美恵さんは凄い有名人らしいです。
48時間という時間や397キロという距離も想像しにくいけど、稲垣寿美恵さんはもっとあり得ないことにチャレンジしました。
それは6日間走です。。。
その名の通り6日間で走った距離を競います。今は水曜日の朝8時半だけど6日前は木曜日の朝8時半です。大半の方はゴールデンウィークが終わってから初めての出勤日でしょう。
普通のサラリーマンは月曜日の朝6時くらいに起きて一週間が始まります。
会社に行って仕事をして自宅に帰って寝て、火曜日の朝起きて会社に行って仕事をして自宅に帰って寝て、水曜日の朝起きて会社に行って仕事をして自宅に帰って寝て、木曜日の朝起きて会社に行って仕事をして自宅に帰って寝て、金曜日の朝起きて会社に行って仕事をして自宅に帰って寝て、土曜日の朝起きて1日遊んで寝て早起きした日曜日の朝6時が6日間です。
その間ほぼ寝ないで走っているようです。聞くとこによると睡眠時間は合計10時間とか。。。
普通のサラリーマンが平均2時間も寝ないで仕事をしたら2日目まではなんとかなっても6日間それをしたら多分倒れちゃいます。
その間走ってるわけですから驚きを超えて思考が追いつきません。
記録は700キロを超えてアジア記録を出したようです。
稲垣さんは2日で400キロ近く走れるのだから、単純計算ならあと4日で300キロは短いような錯覚を受ける方もいるかと思います。
でもちょっと考えてみてください。
4日で300キロって1日75キロです。。
それを出来る人も少ないでしょう。
しかも2日で世界記録の400キロ近く走ってからの4日ですから。。。(実際は2日で400キロ近く走ってからなんてレースはしてませんよ。)
ホント700キロという距離にも驚くけど6日間ほとんど寝ないで走り続ける精神力はなんと形容したらよいか分かりません。
ちなみにマイスターの岩本さん情報だと一周900mのトラックをグルグルだそうです。。。
少し話を変えます。
異論がある方もたくさんいると思います。
100m走世界記録は9.58秒
ウサイン・ボルトのもちろん凄い記録です。世界史上最も瞬発系のスピードのある人です。
そこから200m、400m、800m、1500mとか3000m障害とか様々な距離のレースがあり最近私が関心を持っている5000m走の世界記録は12分37秒35も驚きの記録です。皇居一周の距離です。
マラソンの2時間02分57秒も凄いタイムです。私と比べても仕方がないけど、世界記録のランナーがゴールした時に私はまだ30キロに達してません。。
また走り高跳びの世界記録2m45cmとか、重量上げの263キロも同じ人間とは思えないような記録です。
同じように48時間で400キロ近く走ったり、6日間で700キロ走るのも驚愕な出来事です。
それなのにマスメディアで取り上げられることがほとんどないのは、なんだかおかしいと以前から感じています。
速く走れたり、高く跳んだり、遠くに跳んだり、重たいモノを持ち上げたりする才能と同じように長い距離を移動出来る凄い才能なんです。
また自分の限界に挑むアスリートなのです。ウルトラマラソンはオリンピック種目ではありませんが素晴らしいスポーツだと思います。
私も再び24時間走りたくなりました。